上田市のデジタルとDXを考える会議「うえみる会議」でコーディネーターとしてお呼びいただきました
地元長野県上田市の市議会議員さんにお声掛けいただきまして、「うえみる会議」のコーディネーターを務めさせていただきました。
目次
うえみる会議とは?
うえみる会議は、上田市議会DX推進議員連盟のみなさんが中心となって立ち上げた「産学官民で上田市のデジタルとDXを考える会議」とでも言いましょうか。
当日の説明では、「議員だけ、行政だけで考えていてはDXがなかなか進まない(意訳)ので、民間の皆さんと一緒に考えていく場」としてスタート。うえみる会議はこの1回で終了ではなく、何度かミーティングを重ねていく中で、実際に上田市に提言をできるように意見をまとめていくことを目標としています。
うえみる会議第1回の様子
今回のうえみる会議の構成は二部構成でした。
第一部では、最新技術を使った取り組みの紹介とアイディアのパネルディスカッションを行いました。
私がコーディネーターを仰せつかった第二部では、デジタルデバイド(最新技術を使える人と使えない人の格差)をどう解決するか、というテーマのパネルディスカッションでした。
当日は許可をいただいてリアルタイムにX(Twitter)で発信を行っていました。この投稿まとめを以下のボタンからご確認いただけます。
スマートシティ、行政DXなどについての私の考え方
デジタル/ICTと行政の交わる場所にいた経験から
私は現在上田市マルチメディア情報センターに10年ほど在籍しています。マルチメディア情報センターは市の公共施設でありICTに関わるサービスを提供している施設ですが、ここがまさに「デジタル/ICT」と「行政」の交わる場所であり、スマートシティや行政DXについては話題の近い環境にいると感じています。
地方行政DXのアプローチ
今回のうえみる会議では最初、上田市の政策企画部長さんから上田市スマートシティ化推進計画についてプレゼンテーションがありました。
スマートシティや行政DXは他の様々な地域でも進んでいる取り組みですが、率直に言って、まだまだ改善の余地があるように感じます。
これまで地方公共団体向けの講演会などで成功事例を聞いたことがありますが、成功している地域の共通点が2つあります。
まず、課題が明確にされていること。
もう一つは、ビジョンが明確に示されていること。
一方、上田市のスマートシティ化推進計画において、この2つのいずれも明確になっていないように見受けられます。
「とりあえずスマートシティ・行政DXを進めないといけない」というふわっとしたしたモチベーションがベースになっているのではないか?という印象です。
既にスマートシティ・スーパーシティを進めている自治体のほとんどは、具体的に何に力を入れるのか、実現した先に何を目指しているのかが言語化され、共有されています。
参考:スマートシティ事例18選をご紹介 ~国内外事例や失敗例、自治体による取り組みなど~ – ニュースフラッシュ | 未来図(ミライズ)
DXのスタート地点
当日私がコーディネーターを行った際にもお話したことではありますが、DXのスタートとなるのは「まず困っている人がいる」という課題の明確化だと考えています。
困っている人は現場に出ていかないとわかりません。
私も業務として個別相談を行っていますが、直接困っている人と対話してみると、「Wordの使い方がわからないこと」に困っているのではなく、「気軽に頼れる人がいない」ことに困っていたりします。
本質的に困っていることは対話を行わないと気づきにくく、技術的な(表面的な)問題解決をしても根本的な解決にはつながっていきません。
そしてそれを旗振りする親方(=行政)が「根本にこういう大きな課題があるから、技術を使って解決していこう」と言語化するのがビジョンの共有であると私は思っています。
このビジョンの共有の部分は、上田市においてまだまだ改善の余地があるのかな、と個人的には思います。
うえみる会議で得られたこと
うえみる会議の第一部では、ICTと技術に詳しい方たちが登壇し、それぞれの視点から課題と解決方法を提案していただきました。
この課題の共有は今思うと非常に有意義だったと感じます。
特に多く取り上げられたのは、自家用車がないと移動できない…という地方特有の移動問題でした。
上田市のスマートシティ化推進計画を見ると、まんべんなく様々な分野でDXしていきたい…という内容に見えますが、率直に言うと、とっちらかっている印象です。
ゆくゆくはまんべんなくDXを進めていくのが理想ではあると思うのですが、まずは重要な課題に集中し、一般の参加者から多く指摘された問題を重点的に力を入れるのが良い戦略ではないでしょうか。