会員名簿を作るのはWord?Excel?どっちにすべき?

こんにちは。発見と創造ラボの水㟢歩実です。

今日は、いつも頼っていただいているお客様からこんなお話がありました。

「とある会の会員名簿を作っているのだけど、もっと効率が良い作り方がある、と知人が言っていた。何かいい方法があるんでしょうか?」

今はWordで作って管理しているとのこと。

Excelで作り直したほうが良いのか?今よりももっとラクに管理できる方法があるのか?
確かに、どちらで作るにせよ現状よりラクにできたら良いですよね。

というわけで、その場で色々とお話したことをこちらの記事にまとめてみました。

たくさんの情報を管理する「データベース」という考え方

今回話に出ている「会員名簿」は、ある決まった項目をひとりずつにそれぞれ登録して管理する、というものですよね。

整理されたデータの集合体、つまりデータベースです。

データベースの定義は以下のような感じ。

データベースとは、決まったデータ構造(構造化)で整理されたデータの集まりのことで、通常はコンピュータ内に電子保存されています。データベースは大量にあるデータを検索しやすいようコンピュータ上で整理したデータ群です。例として、顧客情報を「氏名」や「電話番号」の項目ごとに整理したり、複数の商品情報を「商品コード」別に分類したりしたものがあげられます。

データベースとは?基礎知識を初心者にわかりやすく解説!|ITトレンド (強調表示は当方で実施)

データベースの特徴は、情報が整理されていることで自分が指定した順に並べ替えができたり、特定の条件をもつデータを取り出したりできること。
管理している情報が多ければ多いほど、得られる恩恵がありそうですよね。

Excelは計算と並べ替えができ、Wordはできない

さて、当初の話で出た「Word・Excel問題」。

今回のケースでのわかりやすい違いは、計算と並べ替えができるか、できないか、というところではないでしょうか。
Excelは計算と並べ替えができる。Wordはできない。

厳密に言えばWordでもできるのですが、そもそも計算ソフトとして作られていないのでやや面倒で、あまり向いていません。
Excelはもともとデータベース作成・管理する機能がついているため、それを前提に考えればExcel一択です。

結論以上!ここで終わり!・・・ということならいいのですが、話には続きがあります。

Excelでのデータベース管理はちょっとコツがいる

私は独立前の約10年間、Word・Excelの初心者向けセミナーも担当していました。

そのなかでデータベースの基本操作についてもお教えしていたのですが、実はデータベースって結構繊細なんですよね。
ルールを守って作らないと正しく並べ替えができなかったり、データベースとして操作がしにくくなったりしてしまいます。

例えば…

  • 縦の列では、すべてのデータの表記を揃えなくてはいけない(全角半角、ハイフンありなし、スペースのありなし等)
  • データベースの表に隣り合った余白のセル(マス)に余計なデータを入れてはいけない
  • 表の横に余白があっても、同じシートに別の表を作ってはいけない
  • 見出しは必ず見た目を変えないといけない
  • セルの結合をしてはいけない

などなど。ちょっとしたことなので、知っていなければどれもやってしまいがちです。

便利な機能がある反面、ちょっとしたことで順番がばらばらになってしまったりするので、慣れていなければちょっと難しいですよね。

件数や管理項目が多くないならWordで十分

Wordは表を作る機能はありますが、前述したような便利な管理機能はありません。
だからこそ、ちょっとやそっとでは順番や組み合わせがばらばらにならないのが良いところです。

以下のような条件に当てはまるなら、Wordのほうがオススメだったりもします。

  • 件数(会員数)が20件くらいなど、目視で管理できる数に収まっている
  • 管理項目もそれほど多くない
  • 一度登録したら変更することはあまりない
  • 印刷する機会が多い

基準として考えるのは、管理する人が不便を感じているのかどうか、というところ。
現状で面倒や不便を感じていないということなら、わざわざExcelでのデータベース操作を覚えて、表を作り直して…という必要はないと私は思います。

引き継ぐ必要があるなら、シンプルでトラブルが起こりにくい方法で

年末年始のこれからは特に、自治会や各種団体の役員引き継ぎの季節。
役員さんと一緒に様々なファイルも引き継がれていくことでしょう。

引き継ぎ時に時々起こる困りごととして聞くのは、「前の役員さんが作ったすごいExcelファイルが壊れちゃって、直せる知識がある人がいない」というもの。

一時的に効率化を実現できたのに、トラブルが起こった時の対処ができず、管理の手間もかかってしまう。結局一から作り直すことに…。
引き継がれていく担当者ごと知識にムラがあることが多いので、なかなか一筋縄ではいきません。

将来的に自分ではない(=自分よりもパソコンが苦手かもしれない)人が使う可能性を考えると、シンプルでトラブルが起こりにくいWordで作る…というのが正解な場合も多いのです。

団体のリテラシー向上も個別相談も、ご相談承ります

発見と創造ラボでは、特にこれから深刻になっていくデジタルディバイド(情報格差)解消のお力になりたいと考え、日々の事業を行っています。

デジタルディバイドは、ただ技術を使えるようになることだけではなかなか解消していきません。
過渡期の現在では特に、いかに「誰にでも理解でき、抵抗なく使えるシステムにするか」という観点も大切だと私は考えています。

事情や背景をじっくり聞き取って、難しい用語をなるべく使わずに、理解できるまで丁寧に説明することを心がけていますので、「以前挫折してしまった」というかたもぜひ一度ご相談いただければ嬉しいです。

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